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「壁紙工場」
   壁紙の種類は大変多く、紙製・ビニル製・織物製など、様々な製品があります。今回は市場のシェアの約9割を占めるビニル系壁紙のプリント・エンボス壁紙の作り方を紹介します。
プリント・エンボス壁紙は模様を印刷した塩化ビニル壁紙に、エンボス加工で凹凸を付けたもので、ビニル製でありながら、織物製と変わらない風合いを出した製品です。
 
 

 まず、塩化ビニル樹脂・可塑剤・充填剤・難燃剤・発泡剤などをミキサーで混合し、糊状のペーストゾルを作ります。顔料を混ぜ、色を付けたりもします。

 
   このペーストゾルを難燃性の裏打紙に120〜180ミクロンの厚さに塗りつけ、170〜180度の熱風を数秒間吹き付けて乾燥させます。続いて、中に水を通した冷却ロールで冷却しながら巻き取ると、ビニルコーティングされた、模様のない壁紙(原反)となります。
 
   この原反は、次にグラビア印刷で色や模様が付けられます。インクには揮発性の高い溶剤が使われており、室温を一瞬吹き付けるだけで、乾いてしまいます。
 この後、サンプルを取って、両端の色に違いがないか検査されます。
 
   次にエンボス加工の工程に移ります。プリントされた原反をヒーターで200度以上に加熱します。すると、ビニルが3倍ほどの厚さに膨らみます。そこで凹凸と付いたエンボスロールとゴムロールの間に通すと、エンボスロールの凹凸がビニル部分に型押しされて、立体的な模様が付くのです。
 
 この後、傷や汚れのチェックが行われ、50Mごとにカット・梱包されれば完成です。