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「ガット工場」
   今月はテニスラケットのガット工場をご紹介します。
 ガットには牛や羊の腸を使ったナチュラルガットとナイロンを使ったシンセティックガットの2種類があります。今回は一般向けに作られている、シンセティックガットの作り方を紹介します。
 
 

 まず、ポリアミド樹脂(ナイロン)をチップ状にします。これを押出成形機に入れ、260〜270度の熱で溶融し、細糸状のフィラメントに成形します。
製品の種類で違ってきますが、数十本のフィラメントを同時に成形することができます。
 すぐに5〜10度の水に浸けて冷却し、その後加熱しながら延伸機にかけて延ばしていきます。

 
   その後も蒸気で暖め、延伸機にかけ、ヒーターで170〜200度で加熱し、さらに延伸機にかけていきます。そうするとおよそ5〜6倍の長さに引き伸ばされます。これでフィラメントの出来上がりです。
   太いフィラメント(芯糸)を芯にして、細いフィラメント(皮糸)を巻いていきます。
 芯糸に接着剤をつけ、皮糸を数十本巻き付けます。ここで強固に接着していくことで、何万回もの打撃に耐えるものが出来ます。

 次に溶融したナイロン樹脂の中を通してコーティング・冷却すると表面が滑らかになります。
 
 必要に応じて染色・ブランド名を印刷し、ゆるみ防止のためにストレッチングを施します。その後所定の長さにカットして検査を行えばガットの出来上がりです。